農ある
 鷹
 《55号》

  農業で活躍する人々を紹介します

『香川本鷹』で結ぶ塩飽諸島

丸亀市広島町
 秋山幸夫さん 智都子さん

  瀬戸内海に浮かぶ塩飽諸島。中でも一番の面積を有する丸亀市広島町で『香川本鷹(とうがらし)』を栽培している秋山幸夫さん(73)智都子さん(71)夫妻。
以前から島の立地条件を活かして特産物になるような作物は何かないかと考えていた幸夫さん。そんな時、市役所の川口勤副課長からの勧めがあり、昨年から香川本鷹の栽培に挑戦している。
 「とうがらしは軽くて日持ちを考えなくていいので、離島でも輸送、労力面を心配せずに栽培できます」と話す幸夫さんは、広島中の農家に声をかけるなど、島農業の活性化に意欲を示している。今年3月には広島特産物生産組合長にも就任した。
 香川本鷹は大きくて真っ赤な莢に強い辛味と上品な香りが特徴。かつては塩飽の島々を中心に栽培されていたが、高齢化や安価の輸入品に押され絶滅寸前になっていた。
塩飽諸島は降水量が少なく気温が高いことから、とうがらし栽培に適している地域で、昨年の試験栽培では莢が5a以上と大きくなり、辛味の強い高品質の出来映えに手応えを得た。
 今年は広島と手島を合わせて9戸の農家が本格栽培に取り組んでいる。秋山さんは3月中旬に種まきをした苗を温度管理に気をつけながら、5月16日に3eの畑で360本定植した。「農薬は極力使わず、品質を重視して栽培していきたい」と抱負を語る秋山さん夫妻。8月中旬からの収穫を楽しみにしている。

 今まで広島特産物生産組合ではすべて天日干しで乾燥をしていたが、今年は専用の乾燥機を導入し、高品質の香川本鷹を作りたいと考えている。「とうがらしだけでなく、農業で島民が情報交換すること、副収入になることで高齢農業者の意欲と励みになるように栽培に取り組んでいきたい」と島農業の活性に期待している。




手作りの惣菜作り
季節の野菜を食卓に


まんのう町造田 和泉豊さん ナヲエさん


漬物、きんぴら、すし、佃煮。徳島との県境、道の駅『エピアみかど』に朝早くから色とりどりの惣菜が並ぶ。
まんのう町造田の和泉豊さん(76)、ナヲエさん(70)夫妻は早朝から地域の食材を利用した惣菜作りに取り組んでいる。

今から14年前に退職したナヲエさん。「地元に何か恩返しができるものはないか」と考えていたとき、加工食品づくりに誘われ参加した。その後、平成13年に町の活性化、地産池消活動を目的とした『かしの実クラブ』を発足。その一環として惣菜作りを始めた。

この『かしの実クラブ』は惣菜の部、豆腐の部、お菓子の部と3つの部門で成り立っていて、惣菜の部に所属する和泉さんは自宅に専用の加工施設を設けて取り組んでいる。
「その時々の季節の新鮮な食材を使うことを大切にし、素材を活かすために着色料や防腐剤などの添加物は一切使わず、安心、安全を第一に考えています」と話すナヲエさん。中でも、ゆず、地元産コシヒカリを使った「ちらしずし」は店頭に並ぶのを待っているファンがいるくらいの人気商品で、頼まれたら法事用にも作ることもあるという。このほかに美合で採れる高冷地キャベツや大根を利用した一夜漬けや、しそ大根、ゆず大根などの漬物や山菜を利用した惣菜なども作る。
包装にも工夫をこらし、素材を絵葉書風にデザインにし、安全、安心で手作りが伝わるようなラベルを使用している。
また、香川県の加工食品オーディションにおいて知事賞や優秀賞等を受賞したこともあるという。
「夫婦2人の手作りなので、一度にたくさん作ることはできませんが、一人でも多くの人においしいと言ってもらうために、がんばっていきたい」と豊さんの包丁を握る手がはずむ。

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